元全日本代表のスポーツ選手が子どもの身体づくりの指導者「体軸スクールフランチャイズの先生」になった理由。「楽しい予防医学」をもっと広めたい。

「地球上に存在する”子どもたちの運動格差”をなくす」
そんな理念で2018年に設立した株式会社やまちゃんは、福井県敦賀市にある『子どもたちの心身の土台を創る体操&トレーニング教室 体軸スクール NEST(ネスト)』にて、地元の親子を中心に「正しい身体の使い方」を教え続けてきました。(※注1)

知覚や情緒を育む絶好の時期である幼少期~学童期は、その子の健康寿命の土台を作る大切な時期ですが、昨今のデジタルツールの普及やコロナ禍による運動不足が子どもたちの身体能力に深刻な影響を与えています。歩き方や走り方がぎこちない子、じっと座っていられない子、ちょっと転んだだけで骨折してしまう子──。スポーツ庁の調査でも危惧されている通り、年々、子どもたちの身体能力は低下傾向にあります。

全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果
全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果

<出典:スポーツ庁:令和3年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果(概要)>
URL:https://www.mext.go.jp/sports/content/20211222-spt_sseisaku02-000019583_111.pdf

このような状況に歯止めをかけるべく、株式会社やまちゃんは現在、『子どもたちの心身の土台を創る体操&トレーニング教室 体軸スクール』の指導者を全国に増やすチャレンジをしています。それは、同社が培ってきたスクール運営のメソッドを受け継ぐ「体軸スクールフランチャイズの先生」を増やす取り組みです。

【参考:体軸スクール フランチャイズ公式サイト】

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この記事では、先駆けて「体軸スクールフランチャイズの先生」となった、アルティメット元全日本代表の伊藤まどかさんに、現在の働き方ややりがいについてインタビューしました。

伊藤さんのお話からは、「子どもたちの将来を思う強い気持ち」や「予防医学で健康を保つ重要性」「元スポーツ選手のセカンドキャリア」など、今の日本が抱える課題解決につながるヒントがたくさん飛び出します。

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(注1)体軸とは?
人間の全ての運動機能や神経に影響する身体感覚のこと。これを鍛えることにより、正しい身体の使い方や脳の発達が促されるため、予防医学の手法として理論化・特許を取得しています。体軸が身につくと、勉強や学習、習い事、各スポーツのスキルなど、さまざまなものごとの習得力がアップするといわれています。

◾️特許取得に関する情報
https://metaaxis.co.jp/patents/

株式会社やまちゃんは、体軸を楽しく簡単な動作で身につけられる「体軸体操」としてプログラム化し、「体軸スクール」にて指導しています。

きっかけは、怪我が多い子どもたちに対する危機感。痛める前に原因にアプローチしたい

【伊藤まどかさんプロフィール】

アルティメット元全日本代表選手として活躍。現在はU24ウィメン部門日本代表監督を務める。三重県を拠点にパーソナルトレーナーの活動をする傍ら、「体軸スクールフランチャイズの先生」として未来を担う子どもたちに「正しい身体の使い方」を教えている。

 

ーー伊藤さんが「体軸スクールフランチャイズの先生」になったきっかけを教えてください。

私はアルティメットという競技を通じて長年スポーツをしていたので、身体づくり・健康づくりにはとても興味がありました。身体を動かすことは、健康づくりにつながります。なので、現役を辞めてからも運動の素晴らしさを伝えたいと思い、スポーツクラブで運動指導をしたり、パーソナルトレーナーとして個人のサポートをしていました。

そんな中、子どもたちの運動指導に携わる機会にも恵まれたのですが、今の子どもたちの怪我の多さに驚きました。運動能力も年々落ちていると感じており、技術うんぬんより、「そもそも怪我をしない身体づくり」のトレーニングが必要だと考え始めたのです。

かねてから予防医学について学んでいたこともあり、幼少期の身体づくりが生涯にわたって影響することは理解していました。そこで「子どもの頃から適切なアプローチができたら・・・!」と、さらに情報収集を続けていたところ、「体軸スクール」に出会いました。

元全日本選手でも感じた”変化”が「伝えねば」という使命感に

ーー「体軸スクール」で教えている動作を初めて実践したときは、どう感じましたか?

「うわ、何だこれ!?身体が楽に動く!」というのが一番の感想です。

全日本代表でスポーツ選手をやってきたので、それなりに身体づくりはできていると思っていました。しかし、実際に体軸の動作を試してみると「自分がかなり変わった感覚」があったのです。身体が楽に動き、痛みがある箇所も気にならなくなりました。身体全体のストレスが和らいだように感じ、そのおかげでメンタルもより安定しました。正直に言うと、もっと早く知りたかったです。

このとき、「子どもの頃からこの感覚を身に付けられたら、身体能力の高い子どもに育っていくのではないか・・・」と、ひしひしと感じました。

「体軸スクール」で教える動作は、とても簡単なものばかりです。運動が苦手なお子さんでも「できる」という実感を得て、自己肯定感も高まります。なので、身体を動かす楽しさやすっきり感を、運動の得意・不得意に関わらず多くの子どもたちに伝えていけると思いました。何と言いますか、”明るい未来像”が見えたなと思ったので、「体軸スクールの先生」になろうと決めました。

「体軸スクールフランチャイズの先生」は、ジムやパーソナルトレーナーと両立

—伊藤さんの普段の働き方について教えてください。

「体軸スクールフランチャイズの先生」「スポーツクラブのトレーナー」「パーソナルトレーナー」の3つの肩書きがあります。午前中はスポーツクラブでの運動指導やパーソナルトレーナーの活動をしていて、午後から体軸スクールの運営をすることが多いです。働き方のスケジュールは自分で決めています。

2022年の3月に体軸スクールフランチャイズの1校目を、同年11月に2校目を開校しました。自分でスクールを持つことは人生で初めての経験でしたが、株式会社やまちゃんのスクール運営メソッドや、他の教室の先生たちとの交流などがあったおかげで、前向きな気持ちで開校を進めることができました。何より「体軸の魅力を一人でも多くの子どもたちに教えたい、伝えたい」という気持ちが自分を突き動かした原動力だと思っています。

「できない」が「できる」に変わった瞬間が一番の喜び。子どもの成長を一緒につくっている

—伊藤さんの「体軸スクール」に通う子どもたちには、どんな変化がありましたか?

「体軸スクール」に通う子どもたちの多くは、周囲に目配りができるようになりました。例えば、思い通りにならないと癇癪を起こしていた子が周りに配慮できるようになったり、引っ込み思案の子が、お友達同士のケンカを仲裁するようになるなどです。

運動嫌いだった子も、体軸スクールに通ううちにとても前向きになりました。最初は「走るのが遅いから体育をしたくない」と言っていた子が「運動会の徒競走で3番になれた!」と目をキラキラさせて報告してくれたこともありました。

子どもたちがそんなふうに変わっていくので、親御さんにもすごく喜ばれています。「今日はこんなことができたんですよ!」と親御さんに情報共有するときには、まるで一緒に子育てさせていただいている感覚があります。ともに喜べることが嬉しいです。

—一番やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?

子どもたちの「できない」が「できる」に変わる瞬間に立ち会えるときです。「体軸スクール」で教える動作は簡単なものばかりなので、1回1コマで、1〜2個はマスターできるようになります。

「できない」と自信を持てなかった子が、スクールの時間が終わるころにはイキイキとした笑顔を見せてくれます。子どもたちが全身で表現する喜びを共有できるのが何よりも楽しいですし、やりがいになっています。

—今後の展望を教えてください。

お子さんからシニアの方まで、全世代に効果的な運動指導をしたいと思っています。例えば、家族みんなが体軸の重要性を知って運動を楽しんでもらえたら「怪我や病気の予防」と「健康維持」がもっと促進できるのではないかと考えています。予防医学と聞くと堅苦しく感じますが、楽しんで取り組める方法が体軸なので、これを広める活動を続けていきたいですね。

具体的には、もっと広いスペースの店舗を構え、より整った運動環境で体軸をお伝えしようと思っています。お子さんだけでなく、全世代の方が通っていただける場所に整えたいです。人は影響しながら生きていると思うので、その場所が交流の場としても機能すると良いですね。

時間やスキルの有効活用ができる「体軸スクールフランチャイズの先生」

「体軸スクールフランチャイズの先生」は、現在10名。体軸スクールの運営は週1日1時間からチャレンジできるため、家事・子育ての合間に運営する方や、本業の休日を使って運営する方など、その働き方はさまざまです。

また、伊藤さんのように、スポーツの現役引退後のセカンドキャリアとして「体軸スクールフランチャイズの先生」に転身する方もいらっしゃいます。現役時代に培ったスキルに体軸という新たなアプローチを加えて、多くの人の健康維持に寄与する働き方です。

体軸スクールで子どもの「できない」を「できる」に——大人も一緒に可能性にチャレンジ

「体軸スクールフランチャイズの先生」は、子どもたちの「できない」を「できる」に変える仕事です。スクール運営を通じて、子どもたちの成長とともに、大人たちも健やかな心と身体、そして働く楽しさを育んでいけます。

「子どもに関わる仕事がしたい」
「本業としてしっかり子どもたちに運動指導をしていきたい」
「起業を考えているけれど何から始めるべきか分からない」
「自分のスキルがどこまで通用するか不安」
「ビジネスの一つとして運動学習教室を取り入れたい」

このような「子どもたちを思う気持ち」や「チャレンジ精神」は、体軸スクールの運営にそのまま活かすことができます。

先生一人ひとりの「こう在りたい」という自己実現はもちろん、ともに目指すのは株式会社やまちゃんの理念である「地球上に存在する”子どもたちの運動格差”をなくす」ことです。

そんな理念に共感する「仲間」を募るために。

医学的根拠に基づいた運動プログラムの指導者を全国に増やす「体軸スクールフランチャイズ」の試みに、今後もご注目ください。

 

【体軸スクール フランチャイズ公式サイト】

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